八木下侑子(ピアノ)- 20
Yuko Yagishita, Piano
O. メシアン●鳥のカタログより
●八木下侑子
1985年、神奈川県横浜市生まれ。3歳よりピアノを始める。1995年、1997年、神奈川音楽コンクールにおいて神奈川新聞社賞受賞。1997年、ピティナピアノコンペティションC級全国大会奨励賞。1997年、2002年、全日本学生音楽コンクール東京大会入選。1998年、ウィーン音楽コンクール イン ジャパン第3位。1997年、2000年、フランスにて演奏会に出演。
2003年、ピティナピアノコンペティションG級全国大会審査員特別賞。2004年、東京藝術大学入学。2008年、卒業時に同声会賞新人演奏会及び、読売新人演奏会に出演。
これまでにピアノを細川晴美、日比谷友妃子、播本三恵子、土田英介の各氏に、ソルフェージュを小森俊明、室内楽を山本正治の各氏に師事。
現在、東京藝術大学大学院修士課程1年在学中。
【曲目解説】
O. メシアン/鳥のカタログより
音楽の本質的にロマンティックで表現力のある価値を肯定した“若きフランス”と称されるグループの中で著名なオルガニストとしてオルガン音楽の指導的な人物であり、今年2008年に生誕100周年を迎え、様々な演奏会で取り上げられているオリヴィエ・メシアン。1992年に亡くなるまで今日の私達と同じ時代を生きていたフランスの作曲家。
彼の出発点はシェーンベルクの12音的音列作法と考えられる。また、聞いたこともないようなリズムの複雑性、西欧の音楽には前例のなかったような旋律や主題の概念というものが生じており、このような複雑性は作曲家の偶然性の重視というこの時代の音楽概念に起因している。
そのような特徴を示している代表作のひとつとして第2次世界大戦後、1956〜58年に作られたのがこの『鳥のカタログ』。
鳥そのものをテーマにし、フランスの各地方に生息する鳥の名を表題にした小品全13曲から成り、演奏時間は全て合わせると2時間半にも及ぶ長大な作品。表題になっている鳥の他に同じ土地に生息する鳥たちの77種類の歌とともに、それらを取り巻く自然の環境や空間がメシアンによって音として表現されている。
自然的に発される“音”を表現するにあたって、決して耳に美しく響く音楽ではないかもしれないが、それは上記の音楽技法に則ったものであるとともに、メシアンが自然の中で受け取った鳥たちの歌声を忠実に芸術作品として生み出したのもである。
この作品の他にも鳥の歌声がみられる作品として、「アーメンの幻影」、「みどり児イエスに注ぐ二十のまなざし」、「ハラウィ」、「トゥーランガリア交響曲」などが挙げられる。
『鳥のカタログ』は、モデルとなった鳥たちと初演したピアニスト、イヴォンヌ・ロリオに献呈されている。